IGPとDOPという認定をご存知でしょうか?
産地保護のためEUが定めた厳しい基準に適合した食品に付けられるものです。
基準の内容と認定理由は下記のカッコ内の通りです。
「特定地域で栽培・飼育・収穫された農産畜産海産物が、その地域内で規定の方法に従って加工・調整されている食品に適用される。」
「なぜこのような認定があるかというと、特産品名の誤用や盗用を防止すると同時に、その製品が規定どおり正しく製造されたことを保証しています。」
(引用:イタリア大使館貿易促進部)
ちなみに、2013年6月の時点でイタリア国内では155点のDOP、97点のIGPが登録され、EU加盟国の中で一番多いとのこと。
野菜に限って言えばただ単に産地を保護しているというよりかは、「昔から特定の地域でつくられているんだから、その地域の土壌や気候がその作物に合っていて、そこで作られたものが一番美味しいはず」っていうニュアンスも多分に入っていると思われます。
大げさに例えるなら、落花生は千葉県八街市で、昔から行われてきた方法で栽培されたものじゃないと「落花生」って呼べない。
それ以外の地域や栽培方法で作られたものは他の呼び名になってしまう。
同じ落花生でも。
それくらい厳しいんです。
日本には三浦大根とか、下仁田ネギみたいに栽培地域の名前ついたものがありますよね。
イタリアにも土地の名前がついた野菜が沢山あります。
特にラディッキオ。
品種名でradicchio rosso di treviso、radicchio rosso di verona、radicchio variegato di castelfrancoなどありますが、トレヴィーゾ、ヴェローナ、カステルフランコはどれもイタリア北部・ヴェネト州にある地名です。
また、それぞれの品種が前述の厳しいIGPの認定を受けています。
前置きが長くなりましたが、今回の旅のメインとして考えていたのが、ラディッキオ生産の中心地であるヴェネト州の畑巡りです。
最初に伺ったのは、トレヴィーゾからほど近いスコルツェという町。
ここで30年に渡りラディッキオを栽培しているジュリアーノさんの農場です。
さすがは本場なだけあって、どこもかしこも畑ではラディッキオが栽培されていて、本格的な旬を前に収穫が始まったところでした。
ジュリアーノさんが栽培するタルディーヴォもIGPの認定を受けています。
厳しい認定をクリアした栽培の過程を全て見せてくれました。
特に軟化の工程はものすごく勉強になりました。
ジュリアーノさんの意図しないほどの情報流出になってしまいかねないので、工程自体は割愛させてもらいますが、気候や地下水源の豊富さ等、やはり産地になるだけの条件が揃った土地でした。
一番驚いたのはその味。
甘いんです。
ものすごく。
軟化の工程を経ることで苦味が消え甘くなることは知ってたものの、ここまでとは。
何個も試食させてもらいましたが、どれも甘くできていました。
ジュリアーノさんに言わせれば、冬の寒くなった時期はもっと甘みが増すんだとか。
続いてカステルフランコを栽培している農家さんへ伺いました。
まだ日本ではあまりメジャーではない品種のカステルフランコ。
その理由の一つは栽培の難しさにあるのではないでしょうか。
私も何度か栽培したことがありますが、途中で腐らせてしまったり、遮光がうまくいかなかったり。。
ここでは栽培に関するテクニックを惜しげもなく伝授して頂きました。
これ本当に目から鱗でして。
また栽培方法は割愛なんですが。。
ざっくりですがこんな感じで一日中驚きと感動しっぱなしでした。
なによりイタリアの農家さん優しいですね。
日本から突然やってきたのに事細かに栽培のコツを教えてくれるんですから。
と、このようなディープな世界に入って行けたのには訳がありまして。
今回の私たちの旅には強力な助っ人がついてくれていたんです。
それが、フィレンツェで約13年伝統料理を提供するレストランに勤務されていた経験を持つ引地典子さん。
今も在フィレンツェで、イタリア語の通訳兼今回のコーディネイトをしていただきました。
とにかく連れて行ってくれるところがこちらの希望通りの場所で、リサーチも素晴らしかったです。
こういったコーディネイトだけでなく、トスカーナの素晴らしい産物を世に広めようと尽力されています。
この日の夜はそれぞれの農家さんで譲っていただいたラディッキオを引地さんが勤めていたレストランに持ち込んで調理してもらいました。
私は携帯の充電中だったため料理写真が撮れず。。
料理については引地さんのサイトを御覧ください。
ラディッキオというとサラダで食べるくらいしか思いつきませんでしたが、色々な美味しい食べ方があるということを知れたのも今回の大きな収穫でした。
続きは次回に。
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